先日、読んだ本のご紹介。
とっても面白かったのでおすすめです。
私は橘玲さんの大ファンです。
最初に読んだ「マネーロンダリング」は、豊富な知識と深い洞察から生まれた小説で、こんなふうに文章が書けたらいいなと、今でも憧れの小説です。それ以来、すべての著書を読んでいます。今回も期待以上でした。
あまりに圧倒的な広範な知識体系、まとめる能力を痛感します。とても追いつけそうにないですね。絶望します。あははは。
「朝日嫌いの人々と、トランプ支持層、世界の極左との共通点、つまり私達という部族が攻撃されていること。」を発見しています。
これだけでもすごいことです。おそらく私が得ている情報(質も量も)とそんなに違いはないと思いますが、こういうことを思いつくのには、深い洞察力があってこそ。ずっと考えているから、ある時、ふと思いつくことなんだと思います。そしてさらに社会学から遺伝学!、脳科学!、行動経済学。と深掘りに次ぐ深掘りをして次々と新たな発見を書かれています。
ほんとに圧倒的。
「石器時代の行動原理(部族が攻撃されると脳が痛む、社会学→脳科学)、オキシトシンの効果(反撃すると脳が喜ぶ、脳科学→行動経済学)に至るストーリーで上記を裏付けています。」
衝撃的なのは、
「年代に応じて保守とリベラルの内容が変化していること。」
です。
つまり高年齢層の意味する保守とリベラル(右か左か、社会主義か資本主義か)と、低年齢層の保守とリベラル(現在の世の中を維持するか、変えていくか)は全く違うということですね。リベラルであり安倍自民党支持であり、高齢者老害をなくすという若者の主張は一貫性があるということです。
ではどうしてこんな世代間断裂が起こっているのかというと
バブル崩壊が大きく作用している。失われた時代の苦労を経験しているかどうか。若者は世の中を変えていかなければ生きていけないと思っている。中高年男性は既得権正社員にしがみついているため、リベラルと言いながら差別している側にいる。既得権が破壊され困っているのがトランプ支持層の忘れ去られた人々。そしてこの動きが世界的に同時に起こっている。
すごいですねえ。全くついていけません。頭のいい人との違いを見せつけられました。
読書感想を書く時は、自分の頭で考えたことを書こうと思うのですが、ほとんど橘さんの考えをなぞっているだけですね。これでは追いつこうにも追いつけません。