またまた心揺さぶられるドキュメンタリーでした。
太平洋戦争の話って経験者から聞いたことがありますか?
1945年当時、15歳の少年兵は、2021年現在では91歳!なんです。
経験談を語れる人は、どんどん少なくなってます。
私は何度も戦争経験者と話したことがありますが、ほとんどの方は多くを語りたがりません。
ひどい時代だった。語ることは何もない。など。
なのでほとんど戦争のリアルについては私はわかってません。TVでの知識がほとんど。
こういった戦争のリアルについて知らない状態で、戦争反対と言っても、所詮きれいごと。
このドキュメンタリーには凄まじい生々しい戦争の実態があります。
タイトルからすると、伝説の名艦の物語。みたいに予想していたのですが、
中身は全然違います。
二人の少年兵の凄まじい戦争体験とその後の物語です。
(NHKさん、タイトル付けなんとかなりませんか?それと、こうやってNHKのHPリンクをブログに貼り付けているんだけど、すぐにリンク元を消しちゃう。なんとかしてほしい。)
このお二人は同じ駆逐艦に配備され、親友となりました。二人とも91歳。お元気でインタビューに明瞭に答えています。
すげー貴重。金さん銀さんの奇跡みたい。
この年になったからこそ、話ができることもあるようで、
お一人は
「特攻前日に遺書を書いたことは、今まで話したことはなかった。」
と言ってました。
今だからこそ聞ける話。今しか聞けない話。
この方は、元警察官で剣道の師範。91歳にして矍鑠とされ、立派な体格。背筋も伸びています。
典型的な軍人さん。お国のために死ぬ覚悟で戦場に向かった。と言われました。
しかし気高いはずの上司、軍人たちが、飢えで餓鬼のようになってしまったり、特攻を命じられ「これは現実なのか?」と狼狽える姿を見て失望した。軍隊で尊敬していた人々が結局自分のことしか考えなくなったことがショックだったようです。
も一人の方は
軍人らしからぬ、多感な心持ちの優しい方です。歩行器を使っておられました。家族に慕われている様子も見受けました。
出兵時に母に「生きて帰ってこそ国のためになる」と言われ、生きて帰ろうと決心されたそうです。
ほんとに好対照なお二人です。
この方は駆逐艦の機銃担当でした。戦闘時、攻撃してくる爆撃機のパイロットの必死の形相を見たら、機銃掃射が快感に変わっていったと語られてました。こんなに優しい心を持っている人が殺人者になってしまう。これリアルな感想ですよね。
一方で大和沈没後、海に投げ出された軍人たちの救助をしている時、助け上げようとしている人の足を引っ張っている人がいて、二人を一度に引き上げられないから、下の人を棒で叩き落としたら、その人は溺れ死んでしまった。とのこと。まさに芥川の「蜘蛛の糸」。一本のロープが生死を分けた。
機銃掃射を快感と感じた人が、棒で叩き落とし溺れ死にさせたことを、今でも罪悪感に思っているって、何とも言えない話です。
ほんとにいいドキュメンタリーでした。NHKさんナイス。
当時、優秀な軍人たちが「武蔵や大和などの超巨大戦艦は不沈艦だから、本気で出撃すれば勝てる」と思ってて、あっという間に航空機にやられてしまうって、どゆこと?
何も考えずMLBに挑戦して惨敗してしまう様子に似てる。歴史は繰り返す。
再放送予定がないのですが、いい作品なので、いつか再放送されると思います。
また予定が上がりましたら、ツイッターでお知らせします。