昨日の続きです。
私には判官びいきの傾向があります。
上司よりは部下に親和性が高い。
だから「親が悪い。子どもは悪くない」という理論は、私にとっては心地よいものでした。
この本に出てくる子どもは問題を抱えていますが、ほとんどの場合、親が原因であるというふうに書かれています。もともと問題のある子どもなんていないように思えます。子どもには問題はないけど、親に問題がある。
逆説的ですが、そういう子どもがやがて親になっていくわけで、問題のないはずの子どもが、どうして問題のある親になっていくのでしょう。多少は親の影響があると思いますが。
本当に問題のない子どもがいないのでしょうか。
冷静で客観的な鋭い観察眼が際立っているために、逆に、疑問がふつふつと湧いてきます。
だからといって、この本の価値がないわけではないし、信ぴょう性がないわけでもありません。
ただの揚げ足取りなのかもしれません。
私は評論家になっていないだろうか?
あまりに素晴らしい作品だけに。