ちきりんさんが最後の聖火ランナーの大坂選手について語ってます。
指摘していることは2点
まず
1,最後の聖火ランナーはどうして大坂選手だったのか?
ちきりんさんが言うには、人気からすれば羽生結弦選手や、池江璃花子選手のほうが上。
その通りですね。誰でもいいなら、私なら大谷翔平選手を選びたいです。
でもね。
東京オリンピックの映像と言えば、点火する瞬間なわけで、最後のランナーのこの映像は今後、数十年間、何度も何度も使われ続けます。
1964年の聖火ランナーは、坂井義則さんでした。1945年8月6日、広島生まれ。生まれた日が、アメリカ合衆国が広島に原子爆弾を投下した日でした。
これだけ象徴的なセレモニーなので、関係者は誰にするか相当考えたと思います。
人気だけでは選べない。そこに高尚なストーリーが乗ってないと。
池江選手の場合は病気からの復活がありますが、ちょっと個人的すぎる。
そこで大坂選手ですね。
彼女は、今の日本を象徴しています。日本語ネイティブではないし、ルックスは典型的日本人ではない。日本に住んですらいない。でもこれからは、そういう日本人が多くなっていく象徴になります。そういう意味では八村塁選手もいいかもしれませんが、八村選手は日本語ネイティブで日本で育っているので、大坂選手の勝ち。しかも女性なのでさらにいい。日本の男女差ランキング知ってます?
彼女には会見拒否問題がありましたけど、そんなの些細なことですね。
今回の組織委員会はとんでもないけど、この人選に限っては、ほんと素晴らしいかった。
次に
2,どうして大坂選手はグランドスラム大会よりもオリンピックを選んだのか?
多くのテニス選手、フェデラー選手やナダル選手など、多くの有力選手が不参加です。他の大会に比べて、賞金がないし、ランキングポイントもありません。しかも灼熱の東京。照り返しの強いハードコート。出るメリットが非常に少ないのです。しかも近年、過酷な日程が指摘されていて、いかに休むかがトップ選手の宿命になっています。
大坂選手は、今年前半の全仏は会見拒否問題で二回戦棄権していますし、全英は不得意であることや日程、精神状態を理由に不参加でした。この状態であれば普通ならランキングポイントに関係ないオリンピックに出る理由はありません。
しかし大坂選手は、ずっと以前からオリンピックには出ると言ってました。
これはちきりんさんが言う通り聖火ランナーのオファーがあったからですね。
冷静に考えれば解ることでしたが、直前まで全く解らなかったな。
大坂選手は、もうすでにNo1テニス選手であり、十分すぎるほど賞金も稼いでいて、その数倍のスポンサー契約まであります。お金はもういい。
一方で、政治的発言をしたり、会見拒否問題など、社会問題に対する視点の鋭さがあります。影響力の大切さは誰より感じていると思います。
聖火ランナーをすることで、彼女自身の影響力も高まるでしょうし、今後も(引退した後でも)多方面での活躍が期待できますね。
それにしてもこれだけのコンテンツが無観客ってほんともったいない。