このドキュメンタリー、切ないです。
子どもたち400人に何が起きたのか? 〜マクマーティン児童施設裁判〜
1980年代のアメリカ伝説的裁判!児童の組織的性的虐待と悪魔崇拝の強要?しかし子どもの証言は矛盾だらけ。いったいなぜ?記憶とは?真実とは?混乱の裁判の結末は?
小学校前の学校、プレスクール(日本で言えば幼稚園)での実話です。
とある母親が警察に、息子がプレスクールで性的虐待に会ったと通報。そこから捜査が始まる。児童心理学の専門家が子どもたちから聴取したが、これが誘導的であると後日問題になる。しかし児童たちは虐待されたと固く信じている(誘導尋問の副作用、虚偽記憶かもしれない)通報した母親も精神が病んでいたことが発覚。結局、学校側は推定無罪(有罪にするだけの証拠がない)となる。
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ここに出てくる人で、たぶん悪人はいません。
もしかしたら教師は本当に虐待していたかもしれませんが、証拠はありませんでした。
でもデマに踊らされた人々が、自分の信念で攻撃しあってしまった。
これな。
そーいや。ワクチン〇〇派も。
通報した母親は病んでいたかもしれないが、自分の息子が虐待されたと固く信じていた。
証言した児童たちは、虐待されたと固く信じていた。
もしかしたら学校側は本当に虐待してないかもしれない。
みんな自分の正義を追求している。
正義とはこんなふうに、立場、場面ですぐに表裏がひっくり返る。
そしてここが一番のポイントなんだけど。
この判決が有罪であろうが、無罪であろうが、誰も幸せにならない。
被告は、疑いは晴れないのだから、そこでは生きていけない。実際に無罪を勝ち取った形にはなっていますが、裁判費用で破産。姿を消している。
原告は、虐待された(と信じている?)過去は消えない。いつまでも引きずっていかないといけない。
それでも裁判で戦って落とし前をつけるしかなかった。
この状況、よく見るやるせない光景ですね。
でも一つだけ、いいことがありました。