幸せなことだけをして生きていきたい

日常で考えたことを、「14歳の私」に伝えたいコトを書いています。もっと失敗しろよ。

別冊文藝春秋 電子版43号 (2022年5月号) の感想文です

隔月で、とってもとっても楽しみにしています。

今回も面白かった。

高野和明「踏切の幽霊」
東京・下北沢の踏切で何か奇妙な出来事が起きている──記者・松田が抱いた直感は、否応なく彼を事件へと引きずり込む。『ジェノサイド』の鬼才が放つ、渾身の長篇連載開始

幽霊もの苦手なんですよね。ちょっと怖すぎる。いい結末であってほしい。

 

河野裕「愛されてんだと自覚しな」
千年前の運命の恋人と再び出会うため、輪廻転生を繰り返す杏。しかし、すっかり恋人探しに興味を失い、平穏な日常を満喫中。現状肯定型ヒロインの恋の行方はいかに⁉

タイトルからして秀逸。ストーリー展開も小気味いい。神戸が舞台。

 

二宮敦人「サマーレスキュー ポリゴンを駆け抜けろ!」

行方不明の幼馴染を捜すため、オンラインゲームにログインした二人。そこは猛者が集うアナーキーワールドで…

 

オンラインゲームもので、戦闘モノというところまで、下の「マイ・リトル・ジェダイ」と同じなので、少し混乱しました。「マイ・リトル・ジェダイ」より少し深刻。おじいちゃんがいい感じ。時系列がバラバラなのがポイント。楽しめる。今後に期待。

 

 

綾崎隼「ぼくらに噓がひとつだけ」[最終回]

棋士を目指す二人の少年。彼らは出生時に取り違えられていたのか? 運命が交差するとき、切ない真実が明らかに

 

今号で最終回はこれだけ。一番よかった。読者の裏をついてさらに裏。どんだけ振り回されるのだ。将棋モノというだけでも面白いのに、新生児取り違え事件をうまく深ぼっている。魅力的なキャラクターたちが生き生きとそれぞれの人生を生きている。HSPなので何度か読むのを中断しかけたけど、衝撃の衝撃の衝撃の結末。こんな物語があるんだ。言葉が出てこない。これを読むだけでも価値あり。ほんとにおすすめ。

 

 

冲方丁「マイ・リトル・ジェダイ

オンラインゲームで世界一になれば、昏睡状態の息子を助けられる? 一縷の望みをかけて強敵に挑む中、思わぬ救世主が

 

オンラインゲームもので、戦闘モノ。こちらのほうが天真爛漫。純粋に楽しめました。でも着地はどうするんだろ?もう一展開あるのだろうか?

 


矢月秀作「幸福論」

世間を震撼させた残虐な犯行ののち、自ら命を絶った萩谷信。〝悪魔〟と呼ばれた男の哀しき出生の秘密が明らかに

 

異常な執着ってとこは理解できる。これが行き過ぎると一線を超えてしまうのだろうな。スピンオフものながら、母親の人生は衝撃。

 


一穂ミチ「光のとこにいてね」

ふいに訪れた、あの子と過ごす日常。なのにどうして、わたしは浮かれていられないんだろう

 

これも盛り上がってきた。次回が一番楽しみな作品。防犯ブザーのくだりは、うるっと来てしまった。こんなに深い愛なのに、うまく表せない二人はもどかしいけど、いとおしい。お互いの夫がキーになってきそうでワクワクする。

 

これだけ楽しめてアンリミテッドって、ほんと幸せ。

 

yoshimor.hatenadiary.jp

 

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