これは今年読んだ中で一番の小説でした。
良い小説を読むことは、心に食事をさせるようなものだと思っています。
宮下奈都
@NatsMiya
タイトルから、ミステリーものか、ファンタジーかと想像していましたが、全く違いました。
最初の冒頭のシーンで一気に引き込まれます。
主人公が調律師との出会うシーンは、映画のように美しいです。
主人公が調律師を目指していく成長物語で、脇役たちがすばらしい活躍をします。
調律師の先輩たちは、みんな一癖ある職人。そして双子との出会い。
双子の物語って世にいっぱいあるけど、これほど魅力的な双子はいないんじゃないかな。
登場人物が多いのですが、一人称で書ききっているのは、本当にすごい。
主人公の名前を出さない(きっとわざとだと思う)のが秘訣かもしれません。
超現実はなく本当のリアリズム小説ですが、調律師の能力に関してのみ神秘のようなものを感じます。
小説っていいな。と改めて思いました。