薬剤師さんのお話 ドロップアウトしてしまった優秀な人々はどうなるの?
病院にお勤めの薬剤師さんたちとの飲み会がありました。
薬剤師さんと話をすること自体、今までなかったので、ほとんどの話が新鮮で、質問ばかりしていました。
知りたかったのは、薬学部が4年から6年になって変わったことです。今回の会合に参加した人は若い人ばかりで全員が6年を経験していました。
「6年になって薬剤師のレベルが上ったかと言われたら微妙。病院実習ができたので実践的ではあるが、病院勤務以外の道も多いので全員に役立つとは思えない。」
ということでした。それよりも
「6年制になってメリットが減少した。つまり2年間給料が減る代わりに2年間授業料を払わないといけない。生涯給料がかなり減る。」
とのことでした。なるほど。年俸300万、学費50万としても2年で700万円の差!
昔は憧れの仕事ランキングで薬剤師さんが入ってたように思うのですが、メリットは6年制移行で減少したんですね。
それと薬学部の厳しい現実を教えていただきました。
「留年、卒留、国試受からない人が多い。大学同士の国試合格率競争が激しいから合格レベルまで達さないと進級、卒業させてもらえない。優秀でないと卒業させない。1学年120人入学して、薬剤師免許を取れるのが70人。」
なんだそうです。厳しいですね。薬学部に入るだけでも優秀だと思うのですが。それでも半分弱しか薬剤師になれないとは。
「免許取れなかった人はどうなるの?」
「ただの人です。」
えーっっつ!?そーなのかー。これってすごい社会資本の損失では。めちゃ優秀な人材を捨ててる気がする。国試合格率はお上の裁量でどうにでもなるはず。これだけドロップアウトするのが前提なら、Jリーグみたいに、ドロップアウトした人材を救う手立てを作らないと。
「病院勤務以外の薬剤師さんは何してるの?」
「街の薬局、ドラッグストア。製薬会社の研究か営業。くらいかなー。街の薬局、ドラッグストアを開業した場合、その代は開業資金の返済で終わる。次世代になって初めて稼げる。特にドラッグストア経営はコンビニと同じで労働条件が厳しい。バイトが休めば自分が入らないといけない。パートでドラッグストア勤務が最も効率が良い。時給2000円で病院務めより稼ぐ人もいる。病院前の薬局はメリット大きいが、なかなかそんなおいしい話はない。」
たしかに自分が薬剤師さんになってもドラッグストアの経営はしたくないなー。
「製薬会社営業は給料良いが、コミュニケーション力のある文系連中が席巻している。コミュ力ない理系には歯が立たない。」
そーなんだー。理系は文系に勝ると思い込んでたのだけど。薬剤師さんがコミュ力ないと思ってるなんて気づきもしなかった。
こうやって考えると、薬剤師さんになる道はほんとに厳しいですね。自分なら薬剤師を目指さないです。そもそも免許取れる気がしません。それよりもドロップアウトしてしまった優秀な人々をなんとかしないといけません。
とっても勉強になった時間でした。薬剤師の皆様ありがとうございます。