理想の男性と結婚したいプリンセスと、完璧な男性のラブストーリー。30歳までに結婚したいと夢見るプリンセスの後藤まりこ(若月佑美)は、理想の男性だったイケメンで高学歴、出世街道まっしぐらの同級生、富澤光央(速水もこみち)と付き合うことに。しかし、彼の母は過去にトラブルを抱えていた。
私のこれまでの半生と、これから迎える新しい出発について聞いてくださいると聞き、恥ずかしながらやってまいりました。
まずは生い立ちからお話します。
私はこの国のプリンセスとして生まれました。
なので幼い頃からマスコミや国民に追いかけられていましたが、生まれたときからそうだったので、さほど窮屈に思ったりしたことはなかったのです。
でも学生時代は違いました。
夢のような時代でした。同級生たちは分別があり、私を一人の人間として尊重してくれました。
突然カメラを向けたり、誹謗中傷するような人はいませんでした。
人生で一番楽しい幸せな時代だったんです。
そんな時に出会ったのが同級生、富澤光央(速水もこみち)さんです。
とある大学の説明会で一緒になり話をするようになりました。
彼とは気があって、何時間、話をしていても、話題が途切れることはありませんでした。
二人には話したいことが5トントラック一杯分溜まっていたんです。
運命の人に巡り会えた。
こんな経験は初めてでした。
すぐに交際に発展しました。
もちろん私がこの国のプリンセスだと言うことも理解した上での交際です。
もう私には彼以外の人は考えられませんでした。
でも私はこの国のプリンセス。
私との結婚は困難の連続になることが予想されます。
だって歴代女王たちは、結婚に際し、様々なプレッシャーで心の病を抱えることになりました。
現女王様なんて、結婚前はほんとに快活な方だったんです。でも結婚後はほんとに元気がありません。エリザベス女王のような世界的な活躍ができるような有能なお方なのに。
私達プリンセスはよほどのことがないと幸せな結婚はできない運命なのです。
だから交際開始から1年後に富澤光央(速水もこみち)さんから結婚を口に出されたときはほんとに驚きました。
「あなた本気なの?私は呪われた運命を持つプリンセスなのよ。」
「男に二言はないよ。すべて承知の上さ。」
二人とも若かったんです。私達の愛はどんな困難でも乗り越えて行けると本気で信じていたんです。
第2話に続く。
Inspired by ちきりんさん
この記事に登場する人物や団体は架空の存在であり、実在する人物や団体とは一切関係がございません。あらかじめご了承ください。