再放送
ダークサイドミステリー「こわいマンガ」はなぜ怖い?表現進化の70年
NHK BSP4K 6月11日(火)
午後5:00〜午後6:00(1時間0分)
私はこわいマンガが苦手です。妖怪人間や鬼太郎も見られず、デビルマンすら敬遠していました。恐怖映画もダメで、ジェイソンシリーズは大人になるまで観られず、『羊たちの沈黙』あたりから少しずつ慣れていった感じです。
そんな私なので、この分野に興味を持つことはほとんどありませんでした。戦後のマンガといえば、手塚治虫先生や藤子不二雄先生などの清く正しく美しい作品がメインストリームで、週刊漫画雑誌に連載されていました。一方で、ひっそりと貸本専用のマンガ雑誌が存在し、サブカルチャーとしてこわいマンガが育っていったということは全く知りませんでした。これは今で言うコンビニ漫画のようなものだったのかもしれません。
その後、こわいマンガは少女の間で流行し、どんどん読者を増やしていったそうです。私と同様に、男子は怖がりなのかもしれません。
読者が増えるに連れ、表現方法も多彩になっていきました。これは私にとって衝撃でした。絵画の世界で起こっていた表現方法の模索と同じことが、こわいマンガの世界でも起こっていたのです。ムンクの叫びが取り入れられ、紙面の多くが黒くなり、音の表現が加わり、ページをめくるタイミングで驚かせるなど、多様な表現が試みられていました。
よく考えれば、恐怖映画もどんどん進化しています。こわいマンガが進化するのも当然のことです。
見る前はおちゃらけた番組かと思っていたのですが、意外にも大変勉強になりました。貸本専用マンガ雑誌の存在すら知りませんでした。今回の視点の変化は、新たな世界を知るきっかけになり、とても有意義な経験でした。