バンクシーがよくわからない
去年行った、数少ない展覧会の一つがこれでした。
正直に言いますと、
たしかにポップでシニカルで批判的で刺激があって面白いのですが、今ひとつ、その良さがわからなかったんです。
これだったら「炎のストリート芸術 OKUDA」のほうが面白い。個人的意見です。ご容赦下さい。
なのでバンクシーを勉強するために、これを見ました。
BS世界のドキュメンタリー▽指名手配バンクシー正体不明のアーティストを追え
正体不明のアーティスト、バンクシーとは一体何者なのか?各地で発見された作品のメッセージとは?彼の素性を知る人々やジャーナリストの証言などから、その人物像に迫る。
街角に作品が出現するたびに脚光を浴びるバンクシー。徹底的に身元を隠し、誰にも気づかれずにビルや壁に絵を描くため、彼の正体を知る者はわずかしかいない。イギリス出身の有名なミュージシャンだという説は本当なのか?それともバンクシー自身が偽の情報を流し、世の中を欺いているのか?数々の作品と関係者への取材によって、謎に包まれた人物像に迫る。題:BANKSY MOST WANTED(フランス 2020年)
正体不明ということで、世界中のバンクシーハンターが、正体解明に挑戦しています。
人々の関心はそこなんだろうけど、いわゆる芸能ニュースと同じで、本人が隠したがっているんだから、そっとしとこうよ。無粋なことするなあ。
バンクシーは作品をオークションに出品し、1億円以上で落札された瞬間、絵を裁断してしまいました。
自分の作品は落書き。それが1億円!って。それなら壊してやる。
これも皮肉が効いてますね。
バンクシーは、とある資金困難の子供施設のために、その施設のドアに絵を書いた。
その施設は資金のためにその絵を売ろうとすると、人々から非難が殺到。バンクシーが売ってもいいよと声明文を出して、決着。
これも皮肉が効いている。
みんなが勝手に自分の作品に価値をつけて、勝手にどうこうしようとする。自分が書いているのは落書きだし、それで施設が助かればそれでいい。
バンクシーは面白がって絵を書いているだけ。だから町中で落書きを書いている。
でも人々はそれを放っておかない。売ることを批判する人もいれば正体を明かそうとする人もいる。そしてバンクシーはさらに有名になる。だから絵はさらに高く売れる。
自分の影響力の使い方がよくわかっているということですね。
でも、自分がいる町中にバンクシーがあるかも。って考えたらワクワクしますよね。
つい探しちゃうかも。
でもこれ何とかならないのでしょうか?
まったくマーケット感覚がねえ。
ドキュメンタリーを見てバンクシーについて理解が深まりました。
ストリートアートで正体不明、落書き、批判的と、作品単体じゃなくて、総合的に評価されているアーチストということでしょうか。
やっぱ、「炎のストリート芸術 OKUDA」のほうが面白い。しつこい。