これ、最近のNHK制作ドキュメンタリーでは一番面白かったんだけど、タイトルと違って、サブカルの話はほとんどありません。1970年代ハリウッド映画のお話。
なんでこんなタイトル付けたんだろ?
しっかりしてNHKさん。
期待せずに見始めたけど、面白くて最後まで見続けちゃった。
1970年代。ハリウッド映画作品、コッポラ、ルーカス、スピルバーグの監督作品を中心に、当時のアメリカ社会背景を描き出している。
これに出てくる作品のほとんどを見ているけれど、この番組で説明されているアメリカの時代背景は全く理解していなかったな。
知らなくても、十分も楽しめたけどね。
70年代のアメリカは空白の10年間と言われていたが、実は中ではいろんなことが起こっていた。
例えば、トランプ支持層の誕生。
当時、若者にヒッピー文化が誕生し、自由、ドラッグ、長髪、フリーセックスなどがもてはやされた。一方で、白人労働者たちはこれに対して危機感を感じ、最終的に1970年頃、長髪対ヘルメットの戦いがNYで起こった。このヘルメット陣営がトランプ支持層になったから、トランプ支持層にはヘルメットの人が多いんだ!びっくり。
映画、「イージー・ライダー」が、全然、理解できなかったのは、こういう背景が解らなかったから。若者は最後には、保守層に負けてしまうという物語。
コッポラ監督の「ゴッドファーザー」。
これは時代背景抜きでも、マフィア映画として面白いんだけど、コッポラ監督が描き出したかったのは、アメリカそのもの。
マフィアは自分の利益をとことん追求し、最後は自滅してしまう。
これはアメリカ資本主義そのもの。
批判だったんだ。知らなかった。
他に「ロッキー」「ジョーズ」「未知との遭遇」「サタデー・ナイト・フィーバー」「ディア・ハンター」「タクシードライバー」「地獄の黙示録」「クレイマー・クレイマー」などが取り上げられてます。
意外だったのは、
「ロッキー」 閉塞感からの脱却 単純明快なストーリー
「ジョーズ」 なんとなくうまく行ってない不安感を煽る
「サタデー・ナイト・フィーバー」 労働者階級の閉塞感 父親像の崩壊
みたいな、
純粋な娯楽映画と思える作品が、意外と社会背景を反映していること。
「クレイマー・クレイマー」 家族崩壊 母親の自立
はほんと見たほうがいい作品です。
所要時間30分