「推し、燃ゆ」感想と文学賞
「 推し、燃ゆ」
読みました。
受賞作品って、人気が出るので、図書館では2年後とかになってしまう。
だから買いました。
買ったのは、こっちじゃなくて
こっちです。
しがないサラリーマンとしては、文藝春秋の安さに軍配。
芥川賞作品を載せてくれるのは助かります。それに選考論評も載っているし。
綿矢りさ、金原ひとみに次ぐ歴代三番目の若さで芥川賞受賞したそうだ。
この作品も「蹴りたい背中」「蛇にピアス」と同じような衝撃的な作品でした。
すごい疾走感。
冒頭から最後までぐいぐい引っ張ってくれます。
読んでいる時は、主人公のかわいそうな女の子に、すごく共感していたような気がするのだけど、読み終わった今、中高年男性のワタシが、この女子高生に共感するポイントが、どこにあるのか?自分でもよくわかんない。
中高生時代に好きなアイドルいたけど、これほど思い入れなかったし。ソフィーマルソーに夢中だったし、好きな女の子のほうが大切だった。
この作品に、どこか現実感がないのは、共通項が少なくてSNS上の話が多いからかな。
現実感が薄いのに、この疾走感はどこから生まれているのだろう。
こういう文学賞って、昔はバカにしていた。
そもそも文学に順位をつけること自体がバカバカしいし、所詮、宣伝でしょ。みたいな冷めた目で見ていた。
こうして賞レースをすることで注目を集め、売上貢献する装置としてはとてもとても有効だし、だからこそ作者が若いことや、有名人であることの価値もよくわかる。
でも「蹴りたい背中」「蛇にピアス」「推し、燃ゆ」は、そういったことを度外視して、とてもすばらしい作品です。
全ての作品をカバーするほど時間を持て余してないから、芥川賞作品でなかったらこういった受賞作品に出会わなかったはずなので、こういう機会を与えてくれた芥川賞には感謝しかありません。
次は本屋大賞作品かな。