幸せなことだけをして生きていきたい

日常で考えたことを、「14歳の私」に伝えたいコトを書いています。もっと失敗しろよ。

第3話 結婚できないにはワケがある。プリンセス編

理想の男性と結婚したいプリンセスと、完璧な男性のラブストーリー。30歳までに結婚したいと夢見るプリンセスの後藤まりこ若月佑美)は、理想の男性だったイケメンで高学歴、出世街道まっしぐらの同級生、富澤光央(速水もこみち)と付き合うことに。しかし、彼の母は過去にトラブルを抱えていた。

 

私の名前はプリンセス、後藤まりこ若月佑美)。

前回は富澤光央(速水もこみち)さんとの婚約発表までお話しました。

引き続きお話を続けますね。

 

私達の幸せな日々に、突然、週刊誌報道という悲劇がやってきました。

それは富澤光央(速水もこみち)さんのお母様の過去のトラブルでした。

 

私達、王族の者には、清廉潔白、クリーンさが必要です。

過去のトラブルは致命的です。

 

例えば芸人さんならば、犯罪であろうが、多額の脱税であろうが、罪を償い、謝罪会見をすれば済みます。

 

でも私達、王族の場合は全然、違うのです。

たとえそれが本人自身のトラブルでなくても、お母様のトラブルというだけで、結婚の障害になってしまいます。

そのトラブルが犯罪でなくても、その謂われのない罪は重く、私達の結婚にのしかかりました。

 

王族と結婚するものは、何の汚れもあってはならないのです。その一家、親戚、友人にいたるまで。

現女王様も前女王様も、何の罪もないのに、平民出身であるというだけで国民からバッシングを受け、心を壊されました。

 

もちろんそのトラブルを解決しようとしました。

金銭だけの問題ならば、いくらでも払ったでしょう。

富澤光央(速水もこみち)さんはエリートです。安くはない給料を頂いていました。

私達の結婚のためならば、借金をしてでも解決しようとしたはずです。

 

でもそのトラブルは解決できませんでした。

週刊誌は、次々と記事を報道します。

国民は許せないと怒り狂います。

犯罪でもないのに。そして本人のトラブルでもなく、お母様のことであるのに。

 

週刊誌はすごく売れました。

そしてその週刊誌の記者さんが、トラブルの代理人になりました。

解決の緒さえ私達に与えてくれようとはしませんでした。

解決してしまうと、もうこの報道ができなくなってしまうかのようでした。

 

富澤光央(速水もこみち)さんは、このせいで一日中、マスコミ、週刊誌に追われ、この国で仕事を続けていくことができなくなりました。

二人で話し合った結果、富澤光央(速水もこみち)さんはしばらくアメリカへ留学することにしたのです。

再び離れ離れになってしまうけれども、それがきっと解決になると思いました。

 

何度も周囲から結婚を諦めるように言われました。

そんな周囲から祝福してもらえない結婚をすることはないと。

でも私はいつかきっと国民が私のことを信じて、祝福してくれる日が来ると信じていました。

 

私達の愛はどんな困難でも乗り越えて行けると信じていたんです。

だからこのつらい時期も乗り越えることができました。

私はプリンセスとしてやるべきことを続けました。

 

でも心残りは、私の次に結婚するであろう妹や弟、いとこ達のことです。

結局、私もあの呪いからは逃れられなかったのです。むしろ呪いはどんどん強まってきているかのようです。

私の次に結婚するであろう妹や弟、いとこ達は、私よりも重い十字架を背負わないといけなくなってしまいました。

 

第4話に続く。

 

 

Inspired by ちきりんさん

chikirin.hatenablog.com

 

この記事に登場する人物や団体は架空の存在であり、実在する人物や団体とは一切関係がございません。あらかじめご了承ください。