このところ、考える余地のある作品について書いてます。
今日はこれ。本です。
クララとお日さま
言わずとしれたノーベル賞作家。
彼の作品はすべて好きです。そしてどんどん進化している。最新作ほど私に合っている感じです。
さて今回は、前回の巨人、前々回の移植待機クローンに引き続き、AFというロボットもの。
カズオはいつもの通りファンタジーを描きつつ、わたしたちに様々なことを問いかけます。
格差社会、親子関係、才能、意地悪さ、人を利用すること、健康問題、宗教、公害、使い捨て問題、自己犠牲、子供の無邪気さとそれが続かないこと、など。
でも決して正解はありません。自分で考える。
読み終わると、世の中の見方が少しだけ変わります。
受け止め方で、ほんの少しだけ。
やはり最新作が一番、よかったです。
5年に一度のペースでしか出てきませんが、また5年、楽しみに待ちます。
小説がやることは、まだまだたくさんあると思います。
そういう作家さんが日本の血を引いているのを誇らしく思います。