友人に相談されたので、この問題について考えてみました。
何度も繰り返されている問題。
問題がこじれた原因は、雇用者側の態度が大きい。
最初の段階で、遺族に寄り添うことができて、話し合いが成立していれば、事件化することは少ないと思われる。おそらく大半の同様の事件はこれで収まっている。しかし雇用者側が遺族を突っぱね責任逃れをすると、遺族側は態度を硬化させて事件化する。
実際に、この遺族は態度硬化しており、マスコミに頻繁に登場し家族会を結成するなど、活発に活動している。
一旦、裁判になると判決は水物。どっちに転ぶかわからない。二択になってしまうことが多い。大きなニュースになったので国民感情的には遺族側に寄り添う判断が出そうに思う。
遺族の主張は「自己研鑽は労働時間である。パワハラの元に強要されていた」というもの
これで困るのは厚労省。医師の働き方問題の舵取りをしている大前提として「自己研鑽は労働時間ではない」と打ち出しているから。実際、雇用者側はこれを盾に責任逃れをしている。
もし判決が遺族側に出ると、この前提が覆される。働き方改革の元では、医師の労働時間は大きく制限される。その分の穴埋めは国民に返ってくることになる。
例えば起こりうることとして
医療逼迫(コロナのときのような)
救急制限(今でも起こっている救急車たらい回しが必然的に起こる)
外来待ち時間はさらに長くなる
入院はできない すぐに退院を迫られる
医療費高騰
などなど
つまりこの問題はある病院の雇用者側が引き起こしたものだけど、実は日本の医療全体に関わる重要な問題になりうるということ。
たぶんマスコミも、当事者もこの点を理解してないように思う。