舞城さんのファンで、いろんな作品を読んできました。
今回はこれ。
短編が3作入ってます。
トロフィーワイフ、ドナドナ不要論、されど私の可愛い檸檬
トロフィーワイフに心揺さぶられました。
トロフィーワイフになっていた姉が、家出し、福井の田舎の友人宅で自分の居場所を見つける。それを正そうとする妹が乗り込んでくる。
この姉の行動は、すごくわかる。私自身、そういうところがある。
いい人になることで、信頼感を得て、他人に後ろめたさを与えて、場を支配しようとする。
会議で信頼感のある意見を言い続けることで、ここぞというところで、自分の言いなりに持っていこうとしている。自分自身だ。自身の本質だ。
こういう日常のモヤッとする感情を書かせると、ほんとにうまいな。舞城さん。
でも私にすごく似ているこの姉に、全く共感ができないんです。同情すらできない。
たぶん、自分自身のいやーーな部分を意識してコントロールしている人間の存在が嫌悪感を生んでいるんだろう。
だからそれを糾弾している妹のほうに親和性がある。
いずれにせよ、舞城作品で、自分の一部を発見できました。