当時、冷ややかな目で、このニュースを見ていました。
損失隠しや、上顧客優遇しておいて、社員は悪くない。って号泣。
どーゆー神経なんだろ。
って思ってました。
でもその裏側は、私の想像をはるかに超えるものでした。
再放送あります
アナザーストーリーズ「山一破たん たった1つの記事から始まった」
まずこの会見をした野澤社長。
なんとこの会見のたった3ヶ月前に社長に就任したばかりで、しかも損失飛ばしのことを知らされていなかったんです。上層部の思惑は、何にも知らない社長レースに全く関係ない真面目な人に、一連の後始末を押し付けようということでした。
もしあなたが同じ立場だったらどうします?
責任だけ後始末だけ押し付けられるって。
私だったら、全てを投げ出すと思います。だって自分は何も悪くない。それなのに世間にお詫びしないといけない。世間は大バッシングです。大金を失った顧客は、きっと殺さんばかりに恨んでいると思います。その役を買ってでるなんて、会社のためとはいえ、とても割に合わない。
でもこの野澤社長は、すべての責任を取る覚悟を決めたんです。
まず大蔵省に助けを求めに行って、一時はその確証も得ていたのに、その後の報道で世間がバッシングし始め、大蔵省も寝返ってしまい、自主廃業しないといけなくなり、あの会見になったわけです。
あとも一人。
当時トップセールスマンだった人です。
会見翌日、取り付け騒ぎで並んでいる客にライバル証券が名刺を配っているのを悔しい思いでみていた。
25年経ってもそれを語っているのは、本当に悔しかったんだろうな。でもその会社の名前を言わなかったのは、プライドを感じます。
その後、部下たちの転職の面倒を見たが、あまりいい転職にならない人もいたそうです。
彼は、その後、転々と職を換え、今は金融系人材派遣会社を立ち上げ、元山一社員を雇っているんだそうです。
これすごくないですか。
自分も退職させられたのに。きっとその後も大変だったはず。でも困っている仲間のために会社を立ち上げた。しかもそれが金融系人材派遣会社。その当時の苦労した経験を生かしている。
こういう人、いるんですね。
この二人がいた山一って、実はいい会社だったのかもしれません。
だってうちの会社にはそんな気概のある人いないよ。