幸せなことだけをして生きていきたい

日常で考えたことを、「14歳の私」に伝えたいコトを書いています。もっと失敗しろよ。

歌人・穂村弘という才能

これすごい番組だったんですけど、あまり取り上げられてないので、私こそが取り上げないと行けないという使命感に駆られています。

 

残念ながら再放送予定ありません。

 

穂村弘 短歌という魔法

www.nhk.jp

 

朴訥とした語り口で、厳しい質問に対して「随分攻めた質問が多いなぁ。」と困りながらも真摯に答えらえてました。

 

最も印象に残ったのは、

「成功物語は世の中に溢れている。失敗物語は流行らないけど、短歌では笑いを誘い名作になる」

ということでした。細かなニュアンスは違うと思いますが。

 

私にも経験があります。

旅行で道に迷ってしまい、友人と二人で片田舎で交通も何もないところに取り残されてしまいました。

若い頃なら、道案内をしていた友人を攻めることばかり考えていたと思うのですが、その時は、なんとかしないといけない気持ちと、なんでこんなことになったんだろうという気持ちで、だんだん可笑しくなってきて二人で大笑いしてしまいました。友人との関係が一段と深まった瞬間でした。

一方で緊急事態だったので、アドレナリンが出てたんでしょうか、その時の記憶、風や匂い、音も含めて、いまだに鮮明に残っています。

 

そして今になって振り返って思うのですが、少し大げさなんですけど、私はこういう瞬間を味わうために生きているんだなと思います。

 

人生は失敗の積み重ねなんでしょうね。

 

短歌で怖い事や悲しい事は笑いに変えられる。

なんて素敵な言葉なんでしょう。

 

も一つ、

「短歌について、一読しただけで何言ってるかわかんないなって人多くくいると思うんです。作品として世に出す時に読者にわかってもらうためにある程度工夫をすると思うんですけど、そこと自分のパーソナルモチーフを使いたいというバランスをどう捉えていますか?」

という質問に対して、

「一つは時代性があって全員が共有するパーソナル指数が上がってますよねぇ。
中略

 わたしはどうしているかと言うと、自分のパーソナル性に準じるという事で、読者に合わせて伝わらないとショックが大きいので、読者にいいと思われようと思って作って、ハッ?って言われると
「しまった、それぐらいなら最初っから自分の、自分と自分の神様との間で最高と思うものをつくれば良かった」
と思ってしまいそうなので、まぁ伝わるかどうかのほうが諦める。

そうすると、「さっぱりわかりませんでした」と言われてしまうんですけど、まぁそれは仕方がないかなぁ。わからなくても魅力があれば読んでもらえるかも。僕も寺山修司の歌集を最初に読んだときはわからなかったけれど何か気になってずっと読んでいるうちにわかってきたから、何かふつうではないものがここにはあると思われるように書きたいかな。そんな感じかな。」

 

宇多田ヒカルさんも同じことを言ってました。

「アーティストとして自分が作りたい曲を作りたいですか? みんなに共感されたい曲を作りたいですか?」

「それを両立させるのがプロなんじゃねーかな。」