重い病に罹っている友人から、状態が良くないとの連絡が来ました。
連絡があった時から、何となく長くないような気がしていました。
しかし日々の業務に怠けてしまい、結局、彼とは一度しか会っていません。
私にとって重要な彼との思い出があります。
彼と私は同じクラスで出席番号が前後でした。彼はおとなしい性格で、読書家でした。物静かな性格で、いつもバカをやってる私に冷たい視線を投げかけていました。
たぶんそのことが私の癪に触ったのだと思います。
ある時、彼に向かって、
「お前は、常に第三者だ。いつもベンチに座ってグランドを眺めている。たまにはグランドに来て試合に参加しろ。」
と言ったことがあるそうです。
というのも、私にはその記憶が全くなくて、彼からその事を、最近、教えてもらいました。
その頃の私には、女の子のほうが重要な事でした。
それから数十年ほど経ち、彼はそれまでしていた仕事を辞めることになり、新しい仕事を探しているとき、自分に何が向いているだろう。と考えて、私の言葉を思い出したそうです。
そうだ。自分は第三者だ。自分には第三者の目がある。これを活かすには弁護士になるのもいいかもしれない。
と。
そして彼は法科大学院に入学し、司法試験に合格し、自分の弁護士事務所を開くことになりました。その知らせが私に届きました。
彼のことを賢いやつだと思っていましたが、私の想像を超えていました。
それにしても、女の子のことしか考えてないバカな高校生の言うことを真に受けるとは。。。
このことから私が学んだことは、「気軽に人のことを評論するものではない。」ということです。こんなふうに人の人生を変えてしまうことだってあるのです。今回はいい方向だったのは僥倖でした。もしかしたら彼は司法試験に通らずに絶望していたかもしれません。
弁護士の彼に、私がトラブルを抱えた時、助けてもらったことがあります。
そして今回は、病気になった彼を励ましているということです。
ほとんど会ったりしていないのですが、それ以上のつながりを彼に感じます。
久しぶりに彼に会いに行ってきます。